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2010.01.25

版画研究会のレポート・その2

1月22日に行われた
第126回版画研究会のレポートを続けます。

今回のテーマは「NY(ニューヨーク)のエコな版画技法」ということで、
まずは、小春さんの作品を語るときには外せない
「モノタイプ」についての説明から始まりました。

「モノタイプ」は、版画といっても1枚しか作れない技法。
透明なプラスチック板の表面にインクや絵の具などで直接描画し、
そこに紙をあててプレスすると、1枚だけの版画が出来上がります。

以前、伊勢丹でのギャラリートークでも話していましたが、
エッチングなどの版画と違い、
版を作るために薬品を使う必要がないので
体にも地球にも優しい、「エコな技法」です。

小春さんが創る「モノタイプ」の特徴は
「マイナスの作業」。
アメリカなどでは、油絵感覚で
インクをどんどん重ねていく
「プラスの作業」で創られる作品が圧倒的に多いそうです。

小春さんの場合は、プラスとマイナスのバランスが絶妙で
独特の世界観を創り上げています。

100122_hangak9
(左:モノタイプ+チノコレ、右:モノタイプ)

言葉ではうまく説明できないので、
右のような作品ができるまでの過程を、
絵にしてみました。

まず、ローラーを使って
上下の黒い部分を描きます。
Mono1

そして、カードボード(厚紙)などを使って
黒い部分からはインクを取り去るという「マイナス」の作業をし、
Mono2_3

白い部分にはインクを乗せていくという「プラス」の作業をしていきます。
Mono3_2
※この3枚は、小春さんの作品ではありません。
私が話の内容からイメージしたものです。
言葉より伝わるのでは・・・と思い、
入れてみました。


濃淡は、手の力加減で表現するそうです。

これらの作業をするときに筆は使わず、
額装するときに使うマット(作品を囲む厚手の紙)の切れ端、
ティッシュ、布、、スポンジ、手のひらなど、
身近にあるものを使っているそうなので、
「エコノミー」の意味でも、「エコな技法」といえますね。

板の上で作品を完成させた状態で
1発勝負で刷ります。
一度板の上に置いたインクは
すぐに乾いてしまうので、
1~2時間ぐらいの間に仕上げなければなりません。

白い部分を埋めるようにインクを重ねていくという
「プラスの作業」で作品を作る場合は、
インクを重ねることで失敗を修正していく方法もありますが、
インクの上で「マイナスの作業」をするということは、
失敗したらそこで終わりです。
黒い下地部分を手で触ってしまったり、
ちょっと引っ掻いてしまったら
すべてを消して、最初からやり直すことになるので、
書道のような緊張感があるそうです。

小春さんの場合は、下描きなどはせず
頭の中にあるイメージを直接表現していきます。
版画なので当然左右が逆になりますが、
創る途中では、左右が逆になることは意識しないそう。

小春さんの講演は、まだまだ続きます!

版画研究会については、
こちらのページでご確認ください。

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